子供に注意。インフルエンザより危険な麻痺を伴うエンテロウイルスD68
2014年の夏に外国で大流行した
エンテロウイルスD68が、
2015年には日本の子供たちの
あいだでも見られました。
発熱やせきとともに、
原因不明まひの症状が
全国の子供に現われたのです。
このような例が全国で
どのくらい見られるのか、
国立感染症研究所も
調査に乗り出しました。
そもそもエンテロウイルスとは、
風邪や手足口病、ポリオ、
無菌性髄膜炎などの原因になる
ウイルスの総称ですが、
その中の
エンテロウイルスD68には、
現在特に有効なワクチンは
無い状態です。
夏から秋にかけて流行し、
冬になるとウイルスが減少する、
という特徴があります。
インフルエンザと、
特に初期の様子は似ている
と言われていますが、
流行の時期はその点異なっています。
大人の場合は、
もしこのウイルスに感染しても
症状が出ないか、
あくまで軽い風邪程度で済むのですが、
小さい子ども場合は
重症化することがあります。
肺炎などのほか、
急に筋力が低下するといった
特徴もあります。
いわゆる
急性弛緩性麻痺の報告は、
26の都府県で
5歳以下の子どもを中心に
66人にものぼりました。
この弛緩性麻痺に関しましては、
居住地域によって
広がり方が推測できますので、
今後の対策には役立てられそうですが、
流行した外国では、
まひの後遺症が残った例もありますので、
今後も警戒が必要です。
まひが残った場合には、
リハビリを行なって
回復につとめなくてはいけませんが、
現在までのところ、
なぜまひが起きるかについても、
はっきりとしたメカニズムが
まだ解明されていません。
大人では軽くて済むのが、
小さい子供の場合には
なぜ重症化するのかも
わかっていませんので、
その研究とともに、
全国的な広がりが
見られそうな際には、
しっかりした対策を取ることが
今は奨励されています。
子供に見られるのは発熱、
くしゃみ、鼻水、呼吸困難などですが、
このウイルスはくしゃみを介して
感染すると言われていますので、
マスクなどで防御することも
有効と考えられます。